パブリシティ

株式会社Kid's Power

読者のみなさん、初めまして!私が株式会社Kid's Powerの創設者です。といっても、社長も社員も私ひとりなのですが、当社は今年の9月に設立した発達障害を持つ子供達に家庭で療育サービスを提供する企業です。どのような企業なのかピンとこないですよね。それは当然のこと、なぜなら日本にはほぼ皆無に等しい企業だからです。もう少し具体的にお話すると、みなさんは家庭教師ってご存知ですよね?そうそう、子供のお家に行って国語や算数、英会話やピアノを教えたりする家庭教師です。当社では、その対象が発達障害を持つ2歳から就学前後の子供、そして教える内容が言葉・遊び・社会性・自助スキルのような、その年代の発達過程において獲得するだろうこと、また、彼らの生活に必要であろうことなのです。本来、通常の生活の中で獲得していくこれらの能力を、発達障害をもつ子供達が獲得しやすいようにサポートするのが当社のサービスです。医学的には、自閉症や広汎性発達障害といわれる子供達です

 少し私自身について話そうと思います。私は高校を卒業後、准看護師の専門学校、看護短大の進学コースを経て市民病院で4年間の臨床を経験しました。4年目にさしかかった頃、正体不明のモヤモヤした気持ち、よくある「これでいいのかな?」という想いに駆られ、だからと言って、具体的に何かしたいことがあったわけではなかったので、少し時間を持ってみようと看護大学に編入しました。これが私の起業に至る1つめの転機でした。3年生の春休みに発達障害をもつ子供の親の会と出会いました。これが2つめの転機なのですが、ここで私はこういった子供達の存在、その子供達の発達を伸ばせる療育の仕方があり(州によって差はあるが、アメリカでは公立の幼稚園や小学校でも取り入れられている療育スタイルの1つ)、また、この療育によって子供達が変わっていくことを知りました。ところが、日本ではこのサービスを提供している組織がないのです(研究機関において研究の一環で提供しているところはある)。こういった背景の中で、私はこの療育の考え方そのものにも惚れ込み、もうすぐ大学卒業、卒業後の進路を決めなきゃ、卒論書かなきゃ、という時期に療育について学ぶことに明け暮れていました。そして、4年生の夏休み、たまたま大学の友人達とおもしろそうだねと申し込んでいた他大学の講義(単位互換制度といって、提携している大学同士の講義を受講できる)が始まり、これが3つめの転機となりました。ベンチャー起業論といって、講義を受けたあと、何人かのグループで起業するまでのシュミレーションをします。何を売る企業、お客はどんな人、どうやって宣伝する・・・等、起業するために必要なことを考えていき、講義の最後にプレゼンテーションをします(講義は5日間の集中講義)。私のグループは、私が提案した発達障害がある子供達に療育サービスを提供するというプランで取り組み、最後のプレゼンでは好成績を収めました。私のグループのメンバーは、私以外はみんな経済系の学生だったので私の考えを説明することは大変でしたが、そのぶん、彼らのビジネスとして考える視点を教えてもらいました。この夏休みをきっかけに、私の卒業後の進路は起業になりました。

何が変わった?誰が変わった?

 私もみなさんと同じように病院で日々の業務に追われ、先輩に怒られ、職場の同期に愚痴を言い・・・一人の看護師として過ごしてきました。その私が、今は代表取締役という肩書きを持つようになりました。よく、「社長になるなんてすごいねえ。」、「そんなこと私にはできないわ。」と言われます。必殺技はないのですが、1つ言えることは起業に限らず人生の多くの場面において、心の中の「正体不明のモヤモヤ」を忘れなかったことです。すぐには明かせなくても心の中に留めておいて、ある日、ハッと自分に気づかせるのです。多くの場合、そのモヤモヤは今まで何も違和感なく生活してきた中から起こってきます。いつもと同じ環境なのに起こってくる、実は自分自身の中から沸き起こっているのです。自分の中で何かが変わろうとしている瞬間なのです。私の経営に関する恩師は、「日常業務が改革業務を朽ちくする。」と言います。終わりなき日常業務に追われ続けていることは、よ〜くわかっていますが、でも、時には、「正体不明のモヤモヤ」にも気づいてあげてはどうでしょうか。

私は何者?

 ところで皆さん、私は看護職でしょうか?否でしょうか?先日、ある学会に呼んで頂き、コメンテーターとして壇上に座りました。テーマは「看護職が起業する」でした。その時の会場からの質問で、「このサービスは看護師だからこそできるものか」という内容のものがありました。私は、既にその学会の中で特に資格はいらないと言っていたので、その質問の意図がわからず「???」と思いながら、「当社のサービスは少なくとも現時点での日本では資格がいるものではないし、看護師かどうかは関係ないと思います。」と答えました。私は、この仕事が看護職になるのかどうか考えたことがありません。看護師だからできるという視点もありません。確かに看護師免許がないとできない看護師独自のものもありますが、そうでないものの中に看護の能力を活かせる場はたくさんあります。看護は対象が何を求めていて、何が足りなくて、何を資源として持っているか等の情報を整理し、目的が達成できるための計画を考え、実施し、その結果どうだったか、修正が必要なのか等をアセスメントするという行為を繰り返します。この思考過程は世の中の多くのことと本質的にはとても似ていて、もっと広い世界でその能力を活用できるはずなのです。私が行っている子供達への療育も、企業を創るということも看護と同じ過程を歩みます。これらは看護師でなければできないことではないけれど、私は看護の思考過程を使っています。ですから、看護を使っているという意味では看護職、でも、看護独自のものかといわれると看護職にはならないでしょう。私にとって大事なことは、それが看護職かどうかではなく、看護という能力をどう使うかです。「看護職こうあるべき」と考えずに、「ここにも看護ありき」となっていくといいなと思います。



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